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消える音 [小説]

2017年4月3日(月)
 今日は始業式。朝の情報番組の天気のお姉さんが変わり、「今日は、日本全国で高気圧に覆われ天気は小春日和の良い天気になるでしょう。洗濯物は干しっぱなしでも大丈夫です。」
 「この新しいお天気お姉さん、ちょっと目寄ってるな」とは、思っても声にはせず、さっき電気ケトルからのお湯で作った、コーンスープを啜る。
 「しゅう、もう学校に行く時間でしょ」
 「今日は、始業式だからゆっくりでいいんだよ。母さん」
 どこの家庭でも、同じような慌ただしい朝。現代の病気のような慌ただしさ。「もうちょっと心に余裕をもてないのかな。」と思うが、これも言葉にはしない。1億人総活躍社会を打ち出す政府。女性にもっと活躍できる社会を。と叫ぶ社会団体。両親が共働きのおかげで、普通に学校も行けて質素ではあるが、何不自由なく生活できている。高校3年にでもなれば、それぐらいの感謝の念は沸いてくる。なので、決して母さんの琴線に触れることはしない。
 「占いを観たら行こうかな。」いつもは朝練習で観れない、情報番組の最後の占いを観て学校に行くことにする。
 「なんだよ、やぎ座12位かよ。」「苦手な人に話しかけれて嫌気分になるでしょう。ラッキーアイテムは銀のスプーンです。ランチなどでスプーンを使う意識をしてみるといいですね。」
 テレビを消して、学校に行く準備をする。上着を羽織って、カバンの中身を確認する。始業式なので、そんなに授業の準備も必要なく軽い鞄をもって玄関に向かう。この流れだけで、さっきの占いのことは意識から消える。使い古した、くたくたになった革靴をさっと履く。外は、雲一つない気持ちの良い朝だ。新年度の始まりには相応しい。さぁ学校に向かおう。
タグ:小説 素人
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